反戦画少女の父、ベラルーシで拘束 ロシア引き渡し、収監の可能性
2023年03月31日07時06分
ロシア中部トゥーラ州で昨年、10代前半の女子生徒がウクライナ侵攻に反対する絵を描き、父親が今月28日に禁錮2年の判決を言い渡された問題で、ロシア紙RBK(電子版)は30日、ベラルーシ内務省の情報として、父親が逃亡先の首都ミンスクで拘束されたと伝えた。ロシアに移送後、収監される可能性がある。
父親は50代のアレクセイ・モスカリョフさん。今月1日に逮捕され、判決公判当日未明に軟禁先の自宅から姿を消した。2人暮らしだった女子生徒は児童養護施設に入れられている。
事件は国内外に波紋を呼び、モスカリョフさんは収監を免れるため、支援者の手引きで逃亡し、保護されているという見方が出ていた。
逃亡劇の内幕を知っているとみられ、自身もフランスに亡命したロシア政府系テレビの元職員マリーナ・オフシャンニコワさんは30日、通信アプリで「(逃亡は)うまくいっていた」が、携帯電話で居場所を特定されたことを示唆した。
オフシャンニコワさんは「(父親は)携帯電話の電源を切り、SIMカードを抜くよう助言されていたが、ミンスクで使用したようだ。警察当局は(位置情報から)滞在先を突き止めた」と指摘した。投稿はその後、削除されている。
モスカリョフさんの弁護士は「非常に残念だ」と通信アプリなどで表明。ロシアとベラルーシ当局が捜査協力したという認識を示した。