元従業員の男、無期確定へ 鳥取のホテル支配人強殺―最高裁
2023年03月30日17時40分
鳥取県米子市で2009年、ホテル支配人の男性に暴行して現金を奪い、その後死亡させたとして強盗殺人罪に問われた元従業員、石田美実被告(65)について、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は28日付で、被告側の上告を棄却する決定をした。無期懲役とした差し戻し後の一、二審判決が確定する。
同判決によると、被告は09年9月、ホテル事務所で金品を物色中に入ってきた支配人の男性=当時(54)=の頭を壁にたたき付けて首を絞め、現金約27万円を強奪。男性は暴行が元で15年9月に死亡した。
一審鳥取地裁の裁判員裁判は16年の判決で、被告の関与を認めた上で強盗の成立は否定し、殺人と窃盗の罪で懲役18年としたが、二審広島高裁松江支部は逆転無罪判決を言い渡した。最高裁は18年、「一審の事実認定が不合理であることを十分に示していない」として二審判決を破棄し、審理を広島高裁に差し戻した。
同高裁は「強盗殺人罪の成立は優に認められる」として審理を地裁に差し戻し、その後の一、二審は同罪を認定した。