AI、半年間開発中断を マスク氏ら要請、脅威論強まる
2023年03月30日21時11分
【シリコンバレー時事】高度化が進む人工知能(AI)が、人類の脅威になるとの議論が高まっている。米国の非営利団体が発表した、半年間は一部のAI開発を中断して安全管理の規則を設けるよう求める公開書簡には、29日までに実業家イーロン・マスク氏や開発者ら1300人超による賛同の署名が集まった。
書簡を公開したのは、米フューチャー・オブ・ライフ・インスティチュート。画像生成AIを手掛ける英スタビリティAIのモスターク最高経営責任者(CEO)といった開発当事者も署名している。
書簡は、ここ数カ月、AI開発が「制御不能な競争に陥っている」と指摘。誤情報の流布や人間の仕事を奪う可能性に言及し、選挙を経ていないIT業界のリーダーに「(新たな社会への移行を)決めさせてはならない」と訴えた。
開発中断の対象は、米新興企業オープンAIが手掛ける対話型AI「チャットGPT」の基盤技術「GPT―4」以上の性能のシステム。中断されない場合は、政治の介入が必要だとしている。
AI開発を巡っては、2月に米マイクロソフトがオープンAIの技術を使った対話型AI搭載の検索エンジンを発表。米グーグルやアドビなどIT大手が相次いで高度なAIの投入を発表している。