角川元会長「世の中そんなもん」 五輪汚職、仲介料要求に―元室長初公判で検察指摘・東京地裁
2023年03月30日19時08分
東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之被告(78)=受託収賄罪で起訴=に賄賂を支払ったとして、KADOKAWA元会長の角川歴彦被告(79)らと共に贈賄罪に問われた元担当室長、馬庭教二被告(63)の初公判が30日、東京地裁(中尾佳久裁判長)であり、馬庭被告は起訴内容を認めた。検察側は高橋被告からの仲介手数料の要求に対し、角川被告が「世の中そんなもん」などと言って了承したと明らかにした。
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検察側の冒頭陳述によると、角川被告の意向を受けて、馬庭被告は2016年4月、元専務の芳原世幸被告(65)=贈賄罪で起訴=と共に、高橋被告とコンサルタント会社「コモンズ2」元社長深見和政被告(73)=受託収賄罪で起訴=に面会し、大会スポンサーになれるよう依頼。高橋被告から別の大手出版社との2社で計5億円の拠出を当初提示され、うち計1億円は仲介料とされた。
別の社は最終的に辞退したが、角川被告は芳原被告から贈賄リスクの報告を受けた際、「僕は早く決めて発表したいんだ。世の中そんなもんだから聞くしかないんだよ」と発言し、その後コンサル料に仮装した支払いも了承。17年5月には、高橋被告を通じて組織委会長だった森喜朗氏と会食し、「全力で五輪を盛り上げます」と伝えてスポンサーの承諾を得たという。