東北大の今村災害研所長が退任会見 「災害により強い社会に」
2023年03月29日21時14分
日本の津波研究の第一人者で、東北大災害科学国際研究所の所長を務める今村文彦教授(津波工学)が29日、所長退任を前に記者会見した。東日本大震災について「大切な人や歴史、文化を失ったが得るものもあった。この経験をバネに、災害により強いレジリエンス(回復力)社会にしなければいけない」と述べた。
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今村所長は震災当時について、「(仙台市の)荒浜を襲う津波をテレビで見たが、当時のハザードマップの想定をはるかに超えていた。その姿が研究活動などの原動力だった」と振り返った。時間の経過に伴う「防災意識の低下が今後の課題だ」とし、「自然災害は繰り返される。教訓を伝えれば将来の災害を低減できる。特にデジタルアーカイブなどで振り返ることが大切だ」と話した。