袴田さん再審へ来月10日協議 静岡地裁
2023年03月29日19時37分
1966年に静岡県内でみそ会社専務一家4人が殺害され、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審公判に向けて、静岡地裁で4月10日に弁護側と検察側を交えた3者協議が行われることが分かった。袴田さんの弁護団が29日明らかにした。公判期日や審理方法などについて話し合われるとみられる。
袴田さんは、事件から約1年2カ月後にみそ工場のタンクから見つかった血染めの「5点の衣類」が決め手となって有罪となり、80年に死刑判決が確定。2014年の静岡地裁決定でいったん再審開始が認められて約48年ぶりに釈放されたが、東京高裁で覆され、最高裁が衣類に付着した血痕の色調の検討が不十分だとして審理を差し戻した。
今月13日の同高裁決定は、1年以上みそに漬かることで血痕の赤みが消失するとした弁護側の主張を認め、赤みの残る衣類が捜査機関によって捏造(ねつぞう)された可能性を指摘。改めて再審開始を認め、検察側が特別抗告を断念した。