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EV電池で競争力維持 日系メーカー、米国で支援対象―新協定

2023年03月30日08時43分

充電中の電気自動車(資料写真)

充電中の電気自動車(資料写真)

 日米両政府が28日、電気自動車(EV)向け電池に欠かせないリチウムなど重要鉱物の供給網を強化する新たな協定を結んだことで、日本の部材メーカーは米国市場で競争力を維持できそうだ。協定に伴い、米国のEV購入支援策の対象となる見通しになったためで、国内生産拠点の海外流出回避にもつながると期待されている。

重要鉱物の供給網強化へ EV向け、「脱中国依存」―日米が新協定

 米国で昨年8月成立したインフレ抑制法では、北米で最終組み立てを行ったEVなどを対象に、購入時に7500ドル(約98万円)を税控除する。このうち半分は電池に含まれる重要鉱物の調達割合を要件にしており、米国か米国の自由貿易協定(FTA)締結国での採取または加工が必要としている。新協定により、日本はFTA締結国に相当する扱いとなる。
 重要鉱物を加工する電池材料のうち、電極に使う正極材料については住友金属鉱山が世界的に高いシェアを誇り、最終加工はすべて国内で実施している。製品は、米国内でテスラ向け電池を生産するパナソニックホールディングス(HD)に供給されている。テスラは、税控除を受けられないなら価格競争で劣勢となるため、将来的に電池の調達先をパナソニックHDから変更する恐れもあった。
 車載電池の生産で日本メーカーは中韓勢に押される一方、材料分野ではレゾナック・ホールディングスや日亜化学工業なども高い品質を売りに競争力を維持している。経済産業省幹部は「電池材料メーカーを国内に残すためにも、今回の措置は大きい」と評価している。

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