漁業者側の控訴棄却 諫干開門第2、3陣訴訟―福岡高裁
2023年03月28日19時56分
国営諫早湾干拓事業(長崎県)で漁場環境が悪化したとして、長崎県の漁業者らが潮受け堤防の開門を求めて起こした第2、3陣訴訟の控訴審判決が28日、福岡高裁であった。森冨義明裁判長は、開門を認めなかった一審長崎地裁判決を支持し、漁業者側の控訴を棄却した。
最高裁が1日付で開門を認めない事実上の統一判断を示してから初の判決。
森冨裁判長は、干拓事業について「諫早湾の漁場環境の悪化を招いたと認めるのが相当」とした上で「高い公共性、公益性を有する」などとして、開門は認めなかった。
判決後の報告集会で、漁業者側の馬奈木昭雄弁護団長は「正面から(事業と漁場環境悪化の)因果関係を認めており、一審に比べ、前進した判決だ」と話した。