道徳で検定意見増加 国や郷土愛、2件から13件に―教科書検定
2023年03月29日08時13分
小学校で2018年度から「特別の教科」となった道徳では、検定意見数が前回の149件(教科書24点)から今回は191件(同18点)に増加した。学習指導要領で定められた内容項目のうち「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」に関するものは、前回の2件から13件に増えた。
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文部科学省によると、教科書全体を通して内容項目が充足されていない場合などに「不適切」との意見が付く。
光村図書では、国や郷土愛などに関して意見が付いたため修正箇所を検討。「君は、自分が住んでいる地いきの、どんなところが好きかな」としていた部分を「君が住んでいる地いきや日本の、『いいな。』と思うところは、どんなところかな」と日本を意識できる表現に改めた。
文科省によると、道徳は16年度に初めての検定が行われ、その2年後、学習指導要領の改訂により他の教科とともに再び検定が実施された。この時は多くの社が内容をほとんど変えず、今回内容を変更した社が多かったという。
同省は「検定基準はこれまでと同じ」と説明。意見が増えた理由として、内容変更のほか「他の教科に比べ編集の歴史が浅いという背景があるのではないか」としている。