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気候対策、市民目線で協議 世界初の常設会議―ベルギー

2023年03月29日07時07分

無作為に選ばれた市民が気候変動対策について話し合う「気候市民会議」=11日、ブリュッセル

無作為に選ばれた市民が気候変動対策について話し合う「気候市民会議」=11日、ブリュッセル

 【ブリュッセル時事】無作為に選ばれた市民が気候変動対策について話し合う「気候市民会議」が、ベルギーのブリュッセルで開かれている。欧州を中心に各国に広がる取り組みだが、会議の常設は世界初という。1期目に選ばれた市民100人は6月、ブリュッセル首都圏政府に提言を行う予定だ。

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 「都市の緑化に向け、どんな取り組みを進めているのか」「宅地造成の際、開発許可にどのような項目を盛り込むべきか」。今月11日、行政や民間企業などから参加した都市計画の専門家を前に、市民は相次いで質問を投げ掛けた。
 首都圏政府は2019~24年の施政方針で、50年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「気候中立」を目指すには、市民と展望を共有する必要があると明記。市民を巻き込み公開討論を行うと定めた。市民会議はその一環で2月にスタート。これまでに、50年のブリュッセルのあるべき姿などについて協議したという。
 今月11日の会議では、提言内容の絞り込みに向け、エネルギーや生物多様性など幅広い分野の専門家が市民の疑問に答えた。エネルギー関連の新法について話を聞いた男性会社員(24)は「実質的な議論を進める材料になる」と評価した。
 エラスムス大(オランダ)のヤン・ロットマンス教授は「市民が必要だと考えることと、政治家が実際に行うことの間には大きな隔たりがある」と指摘。その差を縮める手段として、市民会議は「非常に優れている」と述べた。
 提言は政策に反映される見通しで、市民によるフォローアップも行われる。首都圏政府の担当者は「市民から新たな見識を得たい」と期待を示した。

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