「ボクシング人生、悔いはない」 元世界王者の村田が引退
2023年03月28日16時34分
元世界ボクシング協会(WBA)ミドル級スーパー王者で、2012年ロンドン五輪金メダリストの村田諒太(37)=帝拳=が28日、東京都内で記者会見に臨み、現役引退を表明した。「僕のボクシング人生を全体像の総括として考えるのであれば、悔いというものはない」と振り返った。
村田、次のフィールドへ 「競技だけが人生ではない」―ボクシング
昨年4月に国際ボクシング連盟(IBF)王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との統一戦に敗れ、王座から陥落。この試合で高額なファイトマネーを手にし、「もっと欲を出せば今まで以上に稼げる」との思いも抱いたという。ただ、「それ以上にボクシングに求めるものがなくなってしまった。欲への執着が芽生え始めた自分に気付いたのが最大の引退の理由」と明かした。
村田は13年にプロデビュー。17年に2度目の世界挑戦でWBAのタイトルを獲得し、ミドル級の日本選手では竹原慎二以来22年ぶり2人目の世界王者となった。
◇村田諒太の略歴
村田 諒太(むらた・りょうた)南京都高(現京都広学館高)で高校5冠を達成し、東洋大進学。12年ロンドン五輪ミドル級で金メダルを獲得した。13年8月プロデビュー。17年10月に2度目の世界挑戦でWBAのタイトルを獲得し、日本選手2人目の同級王者となった。18年10月に王座を失ったが、19年7月に返り咲き。22年4月にIBF王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との統一戦に敗れた。右ボクサーファイター。182センチ。37歳。奈良県出身。