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司法改革、「一時中断」か 閣僚罷免で混乱拡大―イスラエル

2023年03月28日07時05分

 【カイロ時事】イスラエルのネタニヤフ政権が推進する司法制度改革を巡る混乱が拡大している。改革案に対しては司法の権限が弱まるとの懸念から抗議デモが拡大。ネタニヤフ首相が26日に審議の「中断」を求めた閣僚を罷免すると大規模デモに発展した。イスラエルのメディアは27日、ネタニヤフ氏が司法制度改革について、「一時的な中断」を発表すると報じたが、混乱収束の出口は見えていない。

司法改革の審議先送り 抗議継続、混乱収束見通せず―イスラエル首相

 1月に発表された改革案は、裁判官任命に対する政権の影響力を強め、最高裁の判断を国会が覆すことができる内容。三権分立が崩れるとして野党、法曹界、経済界などが反対を表明し、「民主主義を救え」と訴える市民の大規模デモが全土に広がった。
 米国など諸外国も懸念を表明する中、ヘルツォグ大統領は今月15日、幅広い意見を取り入れた「妥協案」を提示。しかし、ネタニヤフ氏はこれを拒否し、「(司法の)バランスと多様性」を担保するためだと、早期の法案成立に意欲を示していた。
 反発は予備役兵が服務拒否を発表するなど軍関係者にも波及した。ガラント国防相は25日、こうした状況は「国家の安全保障に対する差し迫った脅威だ」と語り、審議の中断を主張したが、翌26日に罷免された。
 報道によれば、罷免に反発したデモが商都テルアビブやエルサレムで行われ、全土で60万~70万人が参加したという。27日には、労働総同盟がストライキを行うと発表し、地方自治体も続いた。ベングリオン空港では抗議活動のため航空機の離陸に支障が出ており、市民生活にも影響が及んでいる。

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