北朝鮮、短距離弾道ミサイル2発 米空母展開に対抗か―変則軌道の可能性
2023年03月27日18時37分
【ソウル時事】北朝鮮は27日朝、平壌近郊の黄海北道中和付近から短距離弾道ミサイル2発を日本海に発射した。防衛省と韓国軍が発表した。日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定される。北朝鮮の弾道ミサイル発射は19日以来で、今年8回目。迎撃を難しくする変則軌道だった可能性がある。
防衛省によれば、2発は午前7時47分(日本時間同)ごろと同57分ごろに撃たれた。いずれも最高高度約50キロで、約350キロ飛行。韓国軍の探知では飛距離は約370キロだった。韓国メディアは、下降後に再び上昇する「プルアップ」という変則軌道が特徴の「KN23」とみられると報じた。北朝鮮はKN23に核弾頭を搭載可能としている。
北朝鮮は米韓に対抗して軍事挑発を行ったとみられる。韓国国防省は、米原子力空母「ニミッツ」を中核とする空母打撃群が27日に韓国南部・済州島の南方の公海で韓国海軍と訓練を実施したと発表した。ニミッツは28日、南部・釜山に入港する。釜山入港は米空母として約6カ月ぶりとなる。米韓両軍は来月3日までの日程で上陸訓練も行っている。
日本政府は、北朝鮮に厳重に抗議した。松野博一官房長官は記者会見で「わが国と地域、国際社会の平和と安全を脅かし、断じて容認できない」と非難。北朝鮮が今後、ミサイルの発射や核実験の実施などさらなる挑発行為に出る恐れがあると懸念を示した。船舶や航空機の被害の報告はない。韓国軍も北朝鮮の核・ミサイル開発を禁じた国連安全保障理事会の決議に「明白に違反した」と発射を批判した。