石野、力強く２ラン　４番の自覚十分―高校野球・報徳学園

　見逃せばボールかという内角低めの直球をうまくすくい上げた。報徳学園の石野が、３点リードの八回に左翼ポール際へ飛び込む２ラン。試合を決定付ける一発に「（体が）開かずヘッドが返って、打球も上がってくれた。入るとは思わなかったけれど、しっかり風に乗ってくれてよかった」と目尻を下げた。
　チームには強打で注目を集める堀がいるが、強豪の４番を任されている。阪神などでプレーした葛城コーチからは、日頃から「４番として長所をどんどん生かしていけ」とハッパを掛けられており、「（長所は）長打力と勝負強さ。その言葉を聞くと、しっかりやらないといけないと思う」。昨秋の近畿大会で他校の主軸打者と比べ、自身の体が小さいと感じて冬に体づくりに取り組んだことも、その自覚の表れだ。
　ウエートトレーニングなどと合わせ、３食以外に間食としてご飯を胃に詰め込んだ。「おなかを減らさない状態を意識した」。体重は昨秋から約５キロ増えて「８５～８６キロ」。この日の本塁打も「しっかりリストでスタンドまで持っていけた」とパワーアップを実感できるものだった。
　選抜の１大会通算最多は過去に１１人がマークした３本塁打。まず１本目を打ち「４本打って記録を更新したい」。力強く目標を掲げた。