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猪苗代湖ボート事故で実刑 3人死傷、操縦の元会社役員―予見可能性など認定・福島地裁

2023年03月24日17時44分

猪苗代湖ボート事故の判決後、福島地裁前で取材に応じる瑛大君の両親=24日午後、福島市

猪苗代湖ボート事故の判決後、福島地裁前で取材に応じる瑛大君の両親=24日午後、福島市

 福島県会津若松市の猪苗代湖で2020年9月、遊泳中の家族にプレジャーボートが接触し、小学3年の男児が死亡、母親ら2人が重傷を負った事故で、業務上過失致死傷罪に問われた元会社役員佐藤剛被告(45)の判決が24日、福島地裁であった。三浦隆昭裁判長は禁錮2年(求刑禁錮3年6月)の実刑を言い渡した。弁護側は無罪を主張しており、即日控訴した。
 三浦裁判長は当時の現場周辺の状況などから「湖面に浮かぶ人がいる可能性は具体的に予見できた」と指摘。佐藤被告のボートと並走していた別のボートの操縦者が被害者らを発見し、衝突を避けていたことなどから、「被告が安全を確認して航行していれば、被害者らとの衝突を回避することができた」と結論付けた。
 その上で、「男児は真に痛ましい死をわずか8歳にして余儀なくされた。事故から2年以上経過しているのに、いまだ何らの被害弁償もされていない。実刑をもって臨むのが相当だ」と述べた。
 弁護側は公判で、「被告は安全確認を十分行っていたが、ボートが被害者に正対した際、被害者は死角に入っていた」などと反論していた。
 判決によると、佐藤被告は20年9月6日午前、猪苗代湖で友人らが乗ったボートを、安全確認を怠ったまま時速15~20キロで操縦。回転中のプロペラに遊泳中だった家族らを巻き込み、千葉県野田市の豊田瑛大君=当時(8)=を死亡させ、母親に両脚切断、友人の男児にも重傷を負わせた。
 裁判後、取材に応じた瑛大君の母(37)は「難しい裁判になると聞いていた。実刑判決が出て安心した」と話した。

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