霧馬山、光る力強さ 大関も見据えて―大相撲春場所
2023年03月23日20時48分
単独トップだった翠富士が黒星を喫し、2敗に後退した直後の結び。3敗同士の関脇対決を制し、霧馬山が優勝争いに踏みとどまった。豊昇龍に対し、左で前まわしを引いて攻勢。しぶとい相手を上手投げで転がした。
新関脇の今場所。足腰の強さを生かした取り口が目立ち、まだ連敗がない。場所前に積んだ豊富な稽古が好調を支えている。「強い人とやることは力になる」。伊勢ケ浜部屋で横綱照ノ富士の胸を借りるなど、複数の部屋に出向いて鍛えた。
混沌(こんとん)とする賜杯の行方。さらには次の番付も見据える。「優勝と大関のどちらが先かと言えば大関」。モンゴルの大先輩で、所属する陸奥部屋付きの鶴竜親方(元横綱)も「今のうちに上がらないと難しい。チャンスはしょっちゅうない」とハッパを掛ける。
5連勝。王手をかけた2桁白星については「あまり意識せず、自分のできることをやっていくしかない」と、場所前に述べた霧馬山。残り3日。自然体を貫き力を出し切れば、もう一つ上の地位への道が徐々に開けてくる。