頭髪検査で人権侵害 大阪の私立高に改善勧告―弁護士会
2023年03月23日19時44分
大阪弁護士会は23日、頭髪検査で生徒の前髪を引っ張ったり、教師がはさみで切ったりする指導は人権侵害だとして、大阪市の清風高校と、運営する清風学園に対し、改善を求める勧告を出したと発表した。20日付。
勧告書によると、清風高校は校則で「髪形は必ず裾と耳元全体を刈り上げなければならない」「前髪は眉毛にかからない程度の長さにする」などの規定を設けている。これに対し、生徒側は「個人の髪形を自由に決める権利は、自己決定権の一つとして憲法で保障されている」として、弁護士会に人権救済を申し立てていた。
弁護士会は「私立学校の校風と教育方針は尊重されなければならないが、社会は著しく変化している」と指摘。頭髪検査の際は髪を触るなどせず目視で判定することなどを勧告した上で、生徒や保護者の意見に耳を傾けるよう要望した。
記者会見した生徒側の代理人によると、申し立てた生徒は「うれしいし納得している」と話しているという。
清風学園法人本部担当者のコメント 勧告の内容は真摯(しんし)に受け止め、誠実な対応を検討したい。