ラマダン、各地で開始 地震被災地は悲しみの中
2023年03月23日20時29分
【カイロ時事】エジプトやサウジアラビアなどイスラム圏で23日、預言者ムハンマドが神の啓示を受けた最も神聖な月とされるラマダン(断食月)が始まった。期間中は祝祭ムードが漂うが、2月にトルコ南部で発生した大地震で被害を受けた地域では、悲しみを抱えたままの被災者もいる。
イスラム教徒は期間中、日の出から日没まで絶飲絶食が義務付けられている。日没後は、「イフタール」と呼ばれる断食明けの食事を親戚や友人らと楽しむ。
22日付のアラブメディアによると、トルコの隣国シリア北西部の被災地では、親類13人を失ったハレドさん(33)は「愛する人のいないイフタールの食卓で、どう祝えばいいのか」と嘆いた。ウンム・ムハンマドさん(41)は、避難テント暮らしで準備もままならないと説明した。
一方、ラマダン中は信仰心が高まることで知られる。イスラエルとパレスチナの間で暴力の応酬がやまない中、期間中の衝突激化などに警戒が高まっている。