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強制不妊、国に賠償命令 二審で4例目―大阪高裁

2023年03月23日19時07分

大阪高裁の正門前で「逆転勝訴」の紙を掲げる弁護団=23日午後、大阪市

大阪高裁の正門前で「逆転勝訴」の紙を掲げる弁護団=23日午後、大阪市

  • 控訴審判決を受け記者会見する強制不妊訴訟原告の(左から)鈴木由美さんと小林宝二さん=23日午後、大阪市

 旧優生保護法に基づいて不妊手術を強制されたとして、兵庫県に住む5人が国に計1億6500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が23日、大阪高裁であった。中垣内健治裁判長は、訴えを退けた一審神戸地裁判決を変更し、計4950万円の支払いを国に命じた。

原告「いまが一番幸せ」 強制不妊、逆転勝訴で会見

 強制不妊を巡る一連の訴訟で国の賠償責任を認めた高裁判断は、大阪、東京、札幌に続き4例目。地裁を含めると7例目となった。
 中垣内裁判長は、一審に続き旧法の規定を違憲と判断。障害を持つ対象者が不妊手術を受けるに当たり、国は理由を十分に説明する責任があったのに怠っており、原告らが優生手術を受けたと認識するのを妨げたと指摘した。
 その上で、不法行為から20年が経過すると損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」について、「国が優生条項を憲法に違反していると認めた時か、最高裁で確定した時のいずれか早い時期から6カ月が経過するまでは効果が発生しない」として、起算点はまだ到来していないと判断した。
 判決などによると、訴えていたのは、兵庫県内の男性=2020年11月に死亡=と80代の妻、小林宝二さん(91)と妻=22年6月に死亡=、鈴木由美さん(67)。男性と小林さんの妻は聴覚障害、鈴木さんは脳性まひを理由に不妊手術を強いられ、子供を持つ機会を奪われたと主張していた。
 判決後、記者会見した小林さんは「早く国の謝罪を聞きたい」と強調。鈴木さんは「もうこんな法律は二度と作ってほしくない」と訴えた。
 厚生労働省の話 判決内容を精査し、関係省庁と協議した上で適切に対応したい。

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