精神科病院で黒人男性が窒息死、警官らが押さえ付ける映像公開　米

【ワシントンＤ．Ｃ．（米国）ＡＦＰ＝時事】米バージニア州で今月上旬、精神科病院で黒人男性が警官と病院職員に体を押さえ付けられて死亡した事件が起こった。米紙ワシントン・ポストは２１日、病院の監視カメラの映像の一部を公開した。（写真は米バージニア州の病院で死亡したアーボ・オティエノさん。ベン・クランプ法律事務所提供）
　死亡したのはアーボ・オティエノさん（２８）さん。映像は６日に撮影されたもので全２７分。ワシントン・ポストがうち９分間を抜粋した。
　オティエノさんはバージニア州リッチモンド近郊の勾留施設から、ピーターズバーグ近郊の州立病院に移送されてきたところだった。
　オティエノさんは手錠と足かせを着けられていた。上半身裸で、はだしのまま、７人の警官に病院の一室に連れ込まれた。抵抗している様子はなかったが、床に寝かされ、警官１人が馬乗りになった。別の警官が膝で頭か首を押さえ付けてていたとみられる。
　室内には病院職員が１０人おり、警察に協力していた職員もいた。そのうちにオティエノさんがぐったりしたため、警官や職員が蘇生を試みたものの、死亡した。
　ディンウィディー郡の検察は、検視の結果、「身体拘束中」に窒息したのが死因だと発表した。
　警官７人と病院職員３人が第２級殺人罪で起訴されている。うち大半がアフリカ系米国人。
　オティエノさんは事件の３日前から、精神衛生上の危機を理由に拘束されていた。
　母親は先週、オティエノさんは精神疾患だったとし、「息子は犬よりひどい扱いを受けた」「窒息死させられた」と非難した。【翻訳編集ＡＦＰＢＢＮｅｗｓ】
〔ＡＦＰ＝時事〕