強さ戻った坂本花織　「今季で一番」―世界フィギュア

　強い坂本が戻った。ミスなく演じたＳＰで今季世界最高点を出し、「今シーズンで一番いい演技ができた」と納得した。
　ジャンプは全て着氷して高い加点を引き出し、得点源のフリップ―トーループの連続３回転は特に滑らかに降りた。全身をしなやかに使ったダイナミックなステップでは、観客から地鳴りのような手拍子を誘った。芸術性などを１０点満点で評価する演技構成点も３項目全てで９点台を出した。
　連覇へ向けて首位に立っても喜びは控えめ。「スピード感がなかったな、と全体を通して思った。アクセル（２回転半）の加点で満点が欲しかった」と自己採点は厳しい。
　今季序盤は調子が安定しなかったが、とうに底は脱している。「練習通りにパーフェクトにできたらいいな、と思う試合は（その通りに）できるようになってきた」。状態に手応えを感じている。
　同じさいたま開催で初出場だった２０１９年大会はフリーで崩れて５位だった。坂本にとってはリベンジの場。「成長した部分を見せられるように頑張りたい」。同じ悔しさは繰り返さない。