平幕の快走許さず 若元春に三役の自覚―大相撲春場所
2023年03月22日20時52分
平幕の快走を許すわけにはいかない。小結若元春が意地を示し、単独トップの翠富士に土をつけた。
右からかち上げ、得意の左を差して前進。引き技に食らい付き、押し倒した。1月の初場所では、はたきを狙って墓穴を掘り、屈していた相手。後悔が胸にあっただけに、絶えず前に出た一番は「狙い通り」だった。敗れた相撲の映像をじっくり見返しているそうで「立ち合いから2歩目、3歩目が出ていない。そこを意識して取りたい」との反省が生かされている。
3敗を守り、新三役から2場所連続での勝ち越しを決めても「小結という看板を背負っているので、2桁ぐらいは勝たないと」と浮かれない。「番付は気にしない」としていた昇進直後と違い、地位に見合った自覚が芽生えてきているようだ。
賜杯争いでは1敗の翠富士、2敗の大栄翔を追い掛ける。「横綱、大関がいないわけだから、誰にでもチャンスがある」とは八角理事長(元横綱北勝海)。29歳にして伸び盛りの若元春も、主役に躍り出る可能性は十分だ。