必勝継投、狙い通り頂点 栗山監督「日本の財産」―WBC
2023年03月22日17時43分
決勝の勝ち方こそが、栗山監督の目指した日本の野球。「投手の精度という部分では絶対に負けたくない」。3大会ぶりの頂点に立つため、チームづくりの段階から思い描いていた勝利だった。
全勝での優勝は、第3回のドミニカ共和国以来史上2度目。最後に一番の強みを発揮した侍ジャパンだが、勝ち上がる過程ではさまざまな面を見せた。
東京ドームでの1次リーグから準々決勝までは、打線が理想的なつながり。特にヌートバー、近藤の1、2番コンビと、その二人をかえす3番大谷が絶好調。チームをけん引した。準決勝では初めて終盤までリードを許したが、そこまで不振だった村上が逆転サヨナラ打。まさしく一丸の勝利で前進した。
そして迎えた決勝。僅差の展開で自慢の投手陣をどんどんつぎ込み、最後はダルビッシュと大谷をマウンドに送って逃げ切った。大会日程が出た頃から考えていた起用法で、栗山監督は「二人ともあるタイミングで『いきます』と言ってくれた」と明かした。
「日本の野球の将来」も監督が重視していたこと。若手を中心としたメンバーはダルビッシュとは合宿から約1カ月、大谷とは開幕直前から約3週間を共に過ごし、一流の大リーガーから日々のトレーニングや試合への準備など多くのことを吸収した。決勝で22歳の戸郷や20歳の高橋宏が堂々と投げて米国打線を抑えたことを喜び、「日本の野球界にとって素晴らしい財産。また、それを見て野球をやろうと思ってくれた子どもたちが必ずいる」。最高の結果が得られたことと同じぐらいにうれしそうだった。