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そしてダルビッシュは大人になった 絆を紡いだ最年長右腕―WBC

2023年03月22日08時57分

日本代表の強化合宿で休日を返上して練習に励んだダルビッシュ(左)と佐々木朗=2月24日、宮崎市

日本代表の強化合宿で休日を返上して練習に励んだダルビッシュ(左)と佐々木朗=2月24日、宮崎市

 侍ジャパンの絆を紡いだのは、最年長36歳のダルビッシュだった。技術や経験を余すことなく伝え、選手間の交流にも尽力。その姿は栗山監督が「ダルビッシュジャパンだ」と感服するほどだった。

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 合流前から心を砕いた。日本で大会への機運が過熱する様子を知り、「戦争に行くわけじゃない。気負う必要はない」。過度の重圧を防ぎ、好きな野球で世界に挑もうという純粋な思いだった。
 米大リーグ組ではただ一人、強化合宿から参加。すると初日から「ダルビッシュ塾」は始まった。投球練習には投手陣の人だかりが。「自分からどんどん話し掛けている。お互いに成長できるといい」。佐々木朗にはスライダー、戸郷には調整方法を助言した。代表に気後れしていた宇田川を見るや、食事会を開催。グラウンド内外で範を示した。
 日本ハムに入団した2005年。喫煙が発覚し、「やんちゃ」というイメージが先行した。中学時代の恩師、全羽曳野ボーイズの山田朝生さんは振り返る。「反省するしかない行為。でも、性根はワルじゃない。シャイでまじめなだけ」
 実は社会貢献活動に力を入れている。途上国に水を支援する基金、子どものための基金などを設立。社会とは何か、人間とは何か。プロで戦いながら学んだ。「独身の頃は野球選手であることが一番だったが、今は夫、次に父親、そして野球がある」。人生観はひときわ豊かになった。
 年齢も考えると、代表活動は今大会が最後かもしれないと捉える。大会の舞台を米国に移し、願うことは一つ。「日本にいるとき以上に、みんなの明るい顔が見たい」。笑顔も涙も全てが糧。そんな思いがこもる。

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