マリニン、4回転半安定 「完璧に近い演技が目標」―世界フィギュア
2023年03月22日05時12分
フィギュアスケートの世界選手権は22日にさいたまスーパーアリーナで開幕。史上初めてクワッドアクセル(4回転半)を成功させた男子のイリア・マリニン(18)=米国=が、大技を武器に2度目の大舞台に臨む。「この数週間はしっかり練習できたし、本当に自信が持てている。完璧か、それに近い演技をすることが目標」と自分への期待を込めた。
初出場の前回は9位。オフシーズンを経て急成長し、昨年9月の競技会で初めて4回転半を成功させた。その後、国際大会で来日した際は着氷が乱れて手を付いたが、最近は安定感が増し、「基本技のような感じになった」。その言葉通り、21日の公式練習では鋭い回転で軽やかに着氷した。
昨年1月の全米選手権でネーサン・チェンに次ぐ2位に入り、チェンが欠場した今年は初優勝。この1年余りで一気に世界トップレベルの仲間入りを果たした。「クアッドゴッド(4回転の神)」のニックネームも徐々に浸透。日本のテレビ局から贈られたという日本語で異名が記された帽子をかぶり、「この名を守り続けたい」と表情を引き締めた。
昨年プロ転向した羽生結弦さんや大会連覇が懸かる宇野昌磨(トヨタ自動車)から刺激を受け、糧にしてきた。「4回転半が可能だと教えてくれたのは羽生さんだし、芸術性をより身に付けたいと思えたのは昌磨のおかげ。準備は万端だ」。飛躍したシーズンの締めくくりを前に、気持ちを高ぶらせた。