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習氏訪ロは助け舟 「外圧反対」で結束―プーチン政権

2023年03月22日07時07分

20日、モスクワで、中国の習近平国家主席との会談に臨むロシアのプーチン大統領(EPA時事)

20日、モスクワで、中国の習近平国家主席との会談に臨むロシアのプーチン大統領(EPA時事)

 ロシアにとって、中国の習近平国家主席の来訪は「助け舟」と映る。ウクライナ侵攻が長期化する中、西側諸国の対ロ制裁に加え、が戦争犯罪の容疑でプーチン大統領の逮捕状を発付。今回、あらゆる外圧に反対する中ロの結束を誇示し、ロシアが孤立していないと強調することがプーチン政権の最大の外交目標となった。

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 プーチン政権は制裁に関し、非軍事的手段を組み合わせた「ハイブリッド攻撃」を仕掛けられていると解釈。ICCの逮捕状にも「大統領に対するいかなる攻撃も、わが国への攻撃と見なす」(ウォロジン下院議長)と猛反発した。ロシア国民の動揺を抑え、逆に結束を促そうと必死だ。
 侵攻直前の昨年2月にプーチン氏は訪中しており、侵攻後初めて習氏の訪ロが実現したことで、コロナ禍で途絶えた中ロ首脳の「シャトル外交」が復活した。中国はロシアと同様にICCに加盟しておらず、習氏は滞在中にプーチン氏の年内訪中を招請。今回の首脳会談で次の訪中に道筋を付け、逮捕状は「無効」(ペスコフ大統領報道官)と宣伝したかったロシア側の期待に応えた。
 ロシアが苦戦する中、中国は侵攻1年の節目に「和平と対話」を促進する立場を文書で公表。習氏は訪ロ後、ウクライナのゼレンスキー大統領とオンライン会談するとみられている。敵の徹底抗戦が揺らげば、ロシアにとっては好都合。対ロ武器供給の可能性も含め、中国からの物心両面の支持は長期戦に必須となる。
 ただ、習指導部は「民族自決」を口実にしたロシアによる占領地の併合を認めていない。少数民族の分離・独立の動きを警戒する中国にとって「領土一体性」は至上命令。表向きは「友好は無限」(昨年2月の中ロ共同声明)とうたうが「核心的利益」の相互承認には限界も見える。

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