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ロ軍事会社、勢いに陰り 国防相に支援要請

2023年03月22日07時08分

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者エブゲニー・プリゴジン氏=3月3日の通信アプリ「テレグラム」への投稿より(AFP時事)

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者エブゲニー・プリゴジン氏=3月3日の通信アプリ「テレグラム」への投稿より(AFP時事)

 ウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムト攻略へ部隊を送り込むロシアの民間軍事会社「ワグネル」の勢いに陰りが出ている。元受刑者を中心とする戦闘員は数万人が戦死したとされ、国防省との確執で人員補充もままならない中、ワグネル創設者のエブゲニー・プリゴジン氏は20日、対立が伝えられるショイグ国防相に支援を要請した。

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 「3月末から4月初旬に(ウクライナ軍が)大規模攻勢を計画中という情報がある。ワグネルがロシア軍から切り離されないよう必要な措置を講じてほしい」。プリゴジン氏は通信アプリを通じて呼び掛けた。
 プリゴジン氏は1月、バフムト近郊の町ソレダルをロシア軍が掌握したとの国防省の発表を巡り、ワグネルの手柄だと猛反発。ただ、ロシア軍精鋭部隊の空挺(くうてい)軍が参戦していたのが実態とされる。今回の支援要請は、ワグネルの戦力低下とロシア軍への依存を浮き彫りにした。
 ワグネルは今月8日、バフムト東部を制圧したと宣言。ウクライナ軍の「戦略的撤退」のシナリオが取り沙汰されたが、ゼレンスキー大統領は14日、防衛継続を決めた。米シンクタンクの戦争研究所は「ワグネルの攻勢はピークに達しているようだ」と分析。事実なら、消耗戦で疲弊している可能性がある。
 「プーチン大統領のシェフ」の異名を取るプリゴジン氏は、侵攻への全面協力で発言権が増大。ロシア軍まで批判して現場が混乱したことから、影響力をそごうと国防省などが動いた。ワグネル戦闘員の補充に必要な刑務所での採用権限を奪い、プリゴジン氏も2月9日に「受刑者の募集は完全に停止した」と説明した。
 ワグネルはいずれ消滅するという見方も出る中、プリゴジン氏は今月18日、戦闘員約3万人を5月中旬までに追加する意欲を示した。一方、ワグネルは戦死者の「集団墓地」を造成するに当たり、ロシア南部クラスノダール地方の地元当局と衝突。相次いで摩擦を生み出している。

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