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米、ロ軍撤退なき停戦懸念 中国に影響力行使要求

2023年03月22日07時14分

20日、ワシントンで記者会見するブリンケン米国務長官(AFP時事)

20日、ワシントンで記者会見するブリンケン米国務長官(AFP時事)

 【ワシントン時事】バイデン米政権は、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談に警戒感を示している。中国がウクライナ侵攻を巡る和平交渉を主導し、ロシアに有利な形で進める恐れがあるためだ。米側は停戦の実現にはロシア軍の撤退が必要だと主張しており、中国がロシアに影響力を行使すべきだと訴えている。

「中国の立場」に苦言 ウクライナ独自の和平案考慮せず―ゼレンスキー大統領

 ブリンケン米国務長官は20日、国務省で記者会見し、「中国の支援を受けたロシアが、思い通りに停戦するための戦術的な動きに惑わされるべきではない」と述べ、中ロの動きをけん制した。また、国際刑事裁判所(ICC)がプーチン氏に逮捕状を出した後に習氏が訪ロしたことを「無責任だ」と非難した。
 ウクライナ侵攻の和平交渉を巡っては、中国が2月に「中国の立場」を発表。「主権や領土の一体性」の尊重などを盛り込んだ内容だったが、ロシア軍の撤退を求めておらず、欧米諸国は中国の和平仲介に疑念を深めている。
 ブリンケン氏は「ロシア軍の撤退を含まない停戦呼び掛けは事実上、ロシアによる征服の承認を支持することになる」と述べ、ロシア側の思惑に沿った交渉は国連憲章違反の可能性があると強調。恒久的な解決策のない停戦はロシア軍の立て直しにつながるとして警戒心をあらわにした。
 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官も20日の記者会見で「ウクライナの領土にロシア軍を残したまま中国が停戦を呼び掛けることを懸念している」と表明。習氏が直接プーチン氏にロシア軍撤退を要求すべきだとの考えを示した。

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