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「承服し難いが」苦渋にじませ 検察、急転直下の決断―袴田さん再審

2023年03月21日07時22分

 「承服し難い点があるものの、特別抗告の申し立て事由が存するとの判断に至らず」。東京高検の山元裕史次席検事は20日夜の臨時記者会見で談話を読み上げ、袴田巌さん(87)の再審開始決定受け入れは苦渋の決断だったことをにじませた。

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 記者からは「具体的な理由は」「証拠の捏造(ねつぞう)との指摘については」などの質問が矢継ぎ早に飛んだが、「慎重に検討した結果だ」「再審公判で適切に対処したい」などと答えるにとどめ、「詳細は控える」を連発した。
 検察は東京高裁決定後、「4人が犠牲になった確定判決は重い」として最高裁へ特別抗告する方向で検討していた。しかし、抗告期限の20日になって急転直下、断念が決まった。
 ある検察幹部は「理屈をこねれば判例違反を主張することも可能だが、最高裁には新たな証拠を追加できない。その状況下で、証拠関係を基に冷静に判断するのは当然必要だ」と指摘。「もはや再審でも闘える状況ではないだろう」と語った。
 別の幹部は「判例違反があれば文句も言えたのだが」と言い、手詰まりだったことを示唆した。その上で「再審決定を受け入れながら公判で有罪立証しようものなら、いまさら何を言うのかとなる。門前払いを食らう」と自嘲気味に語った。

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