琴ノ若、耐えて堂々と 白熱の2敗対決制す―大相撲春場所
2023年03月20日20時40分
正代との2敗同士の一番。琴ノ若は馬力に押されて土俵際に追い込まれたが、2本差して相手の前進を止めると反撃した。「止まっても苦しくなるだけ」。休まずに長い手を伸ばして突き放し、最後は押し倒した。
過去5勝2敗と合口はいいが、今場所の元大関は3関脇を倒すなど好調だった。「圧力負けしないことを考えた」。恵まれた体格を生かし、堂々とした相撲で勝ってみせた。
新小結だった先場所は4連敗スタートから巻き返し、千秋楽で給金を直した。今場所は序盤から白星を先行させ「落ち着いて、気持ち的にも前向きな相撲が取れている。体が動いている」。精神的な余裕も生まれている。
横綱、大関が不在となった異例の土俵。八角理事長(元横綱北勝海)は「そろそろ大化けしてほしい」と25歳に大きな期待を寄せる。「まずは勝ち越して、そこから。切り替えて、(優勝は)そこから考えていければいい」と琴ノ若。昨年の春場所では11勝を挙げて千秋楽まで賜杯を争った。混戦模様の後半戦で、再び輝きを放てるか。