• ツイート
  • facebook
  • hatena-bookmark
  • コメント

「安心しな、もう大丈夫」 袴田巌さんに姉ひで子さん―拍手と歓声、弁護団涙

2023年03月21日07時24分

特別抗告断念の報を受け、笑顔で会見する袴田巌さんの弁護団と姉ひで子さん(画面内)=20日午後、東京都千代田区

特別抗告断念の報を受け、笑顔で会見する袴田巌さんの弁護団と姉ひで子さん(画面内)=20日午後、東京都千代田区

  • 検察側の特別抗告断念を受け、浜松市で取材に応じる袴田巌さんの姉のひで子さん=20日午後、浜松市

 「安心しな。もう大丈夫だから」。検察側が袴田巌さん(87)の再審開始決定に特別抗告しない方針を表明したことを受け、姉ひで子さん(90)はこう伝えた。あとは「再審開始、無罪、死刑囚でなくなることをひたすら願っている」という。

「承服し難いが」苦渋にじませ 検察、急転直下の決断―袴田さん再審

 午後4時半ごろ、記者会見場に姿を見せた弁護団事務局長の小川秀世弁護士の携帯電話に、担当検事から特別抗告を断念すると連絡が入った。小川弁護士の報告に、その場にいた支援者らから拍手と歓声が湧き起こった。
 小川弁護士は弁護団長の西嶋勝彦弁護士と共に涙を流し、「(検事に)『ありがとう』と応じました。本当にうれしかったものですから」などと語った。
 地元・浜松市からオンラインで会見に参加したひで子さんも「ありがとう。本当にありがとう」と、検察側への感謝を何度も言葉にした。
 会見後、ひで子さんは地元で改めて取材に応じ、「ただうれしい。ただうれしいんです。57年(の苦労)が吹っ飛びました」と喜びを爆発。一報を聞いた際は「何が何だか分からないくらい、大騒ぎして家中を走り回っていました」と語った。
 巌さんには裁判の話は極力控えてきたが、支援者と一緒のドライブから帰ってきたところで「あんたの言う通りになったよ。安心しな。もう大丈夫だから」と言葉を掛けた。ひで子さんも「巌に話した時は、ちょっと涙が出た」という。反応は「あまりありません」としつつも、「多分分かっていると思う」と話した。
 「よくぞ出てきた、よくぞ頑張ったと巌を褒めたい」というひで子さんは、「再審開始になったからと言っても終わったわけじゃありません。これからです。これからが正念場です」と強調した。
 西嶋弁護士も「袴田さんの50年にわたる願いがかなったが、まだ再審公判が残っている。一日も早く無実を明らかにしていきます」と力を込めた。

関連記事

こんな記事も

社会用語

社会

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ