大阪府議選、共産「議席ゼロ」に危機感 維新主導の定数減で―統一地方選
2023年03月21日07時13分
統一地方選で行われる大阪府議選(4月9日投開票)で、70年以上議席を維持してきた共産党が「議席ゼロ」の瀬戸際に立たされている。現職府議2人が立候補する選挙区で定数が1ずつ削減されるためだ。府議会で過半数を握る地域政党「大阪維新の会」が進める「身を切る改革」の影響を受けた形だが、共産陣営は「宝の議席を守り抜く」と懸命になっている。
今回の府議選から定数は9減の79となる。その結果、人口当たりの議員数が全国の都道府県議会で最少となり、議員報酬なども4年間で約7億円減る。維新が主導した定数削減は2度目で、2011年に109だった定数は10年余りで約3割減ったことになる。
定数削減に伴い、53選挙区のうち、1人だけが当選する「1人区」は現行の31から36に増加。落選した候補者への「死票」が増えるため、共産は「多様な民意を反映できなくなる」と反発していた。
共産府議2人の選挙区は定数が5から4、4から3に減り、激戦となるのは必至。共産は前回と同じ得票順位なら議席を失ってしまう。このため同党は、今年に入り志位和夫委員長ら党幹部が大阪を訪れる回数を増加。陣営幹部は「定数削減が決まった昨年2月以来、党員らと対策を講じてきた」と話す。
ただ、議席消滅の危機について党内では「定数削減だけでなく、党勢も衰えているからだ」との指摘もある。大阪は1970年代に「革新府政」を掲げた黒田了一知事の下、「与党」として存在感を発揮した伝統ある地盤。それだけに、先の陣営幹部は「議席ゼロになったときのインパクトは大きい」と危機感を募らせている。