ジョンソン元首相聴取へ パーティー問題「うそ」調査―英下院
2023年03月20日14時28分
【ロンドン時事】新型コロナウイルス感染拡大中に規則違反のパーティーが首相官邸などで開かれた問題で、英下院の特権委員会は22日、当時政権を担っていたジョンソン元首相を召喚し、事情聴取を行う。この問題に関しジョンソン氏は「規則違反はなかった」と繰り返し議会で述べており、虚偽の答弁で議会を欺いたかが問われる。調査の行方次第では議員失職となる可能性もある。
次期NATOトップに意欲 ジョンソン元英首相、「自分が候補者」
英国は2020~21年、コロナ対策の厳しい規制下にあったが、官邸ではパーティーや会合が行われていた。ジョンソン氏も一部に参加し罰金を科されたが、議会の追及に対し規則違反を一貫して否定。野党はジョンソン氏がうそをついたか調べる動議を出し、超党派の議員による特権委員会が昨春から調査を進めてきた。
委員会は3月上旬、暫定報告書を公表。この中で「違反が明白だったことを強く指し示す」証拠があると明記し、ジョンソン氏が繰り返し議会を欺いた可能性があると指摘した。ジョンソン氏は「うそ」を全否定し真っ向から対決。聴取でも同様の説明に努めるとみられる。
報道によると、調査で虚偽が確認された場合、ジョンソン氏は一時的に議員資格停止になり、自身の選挙区内で解職請求の陳情署名が一定数以上に達すれば議席を失う。ただ、その後の補選には出馬できる。
ジョンソン氏はパーティー問題などで批判を浴び、昨年9月に首相を辞任した。しかし、議員は続けており、政界や与党保守党内で依然として大きな影響力を維持している。