• ツイート
  • facebook
  • hatena-bookmark
  • コメント

非軍事分野で協力強化を 米シンクタンクのトーマス・ウォーリック氏―イラク戦争開戦20年

2023年03月19日20時31分

オンラインでインタビューに応じる米シンクタンク「大西洋評議会」のトーマス・ウォーリック非常勤上級研究員=16日

オンラインでインタビューに応じる米シンクタンク「大西洋評議会」のトーマス・ウォーリック非常勤上級研究員=16日

 米シンクタンク「大西洋評議会」のトーマス・ウォーリック非常勤上級研究員の話 イラク戦争は、侵攻開始後の出来事と戦闘終了後のことを分けて評価する必要がある。軍事作戦は成功だった。至らない部分があったのは戦後処理だ。

背景にドゴール主義 仏シンクタンクのマルク・エケル氏―イラク戦争開戦20年

 占領統治は侵攻計画ほどよく練られていなかった。問題は国務省と国防総省との間にあった戦後処理を巡る見解の不一致だ。また、イラク侵攻の目的は当初、米国をテロから防ぐことだった。一部の人々には「イラクの民主化」は「おまけ」に過ぎず、軍事行動を西側諸国の価値観に沿ったものとする必要があった。
 戦争終結後、米軍は戦力をアジア太平洋地域に振り分けるため、中東地域では縮小させた。ただ、これは米国の経済的、政治的な関与が低下したということを意味しない。
 米国の戦略的懸念は、テロからロシアや中国との大国間競争を巡る懸念へとシフトした。しかし、これは一部の中東地域での経済的、政治的な競争の激化を意味する。原油供給を見ても、1970年代や米同時テロが起きた2001年とは情勢は全く異なる。
 重要なのは、米国の関与低下は良い結果とはならないということだ。今後は非軍事的な安全保障の分野が重視される。中東諸国の多くが深刻な国内問題を抱えており、気候変動や災害問題、サイバーセキュリティーなどで米国は協力を強化すべきだ。

関連記事

こんな記事も

国際


ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ