「出発点」「謝罪なく失望」　首脳会談巡り不満も―韓国紙

　【ソウル時事】韓国の保守系紙「東亜日報」は１７日の社説で、尹錫悦大統領と岸田文雄首相の１６日の会談について、関係改善の「出発点」と評価した。ただ、「日本の謝罪がなく失望した」と不満も示した。革新系紙ハンギョレは、尹政権が日本に大きな譲歩をしたとして「日本の外交的圧勝だ」と非難した。

「自尊心」より現実外交　「ウィンウィンの国益」目指す―韓国大統領

　保守系有力紙「朝鮮日報」は社説で、大統領の訪日は「関係正常化の第一歩と評価できる」と指摘し、米中対立やロシアのウクライナ侵攻など厳しい国際情勢における日韓関係改善の重要性を強調。今後のシャトル外交で「首脳間の信頼を築ければ、過去の歴史をはじめとする懸案も解決できるだろう」と期待を示した。一方で、岸田首相が「反省と謝罪」に言及せず「韓国国民の期待に応えなかった」と伝えた。
　保守系紙「中央日報」の社説も「未来志向の協力関係に向けた土台を固めた」と歓迎した。元徴用工訴訟の原告への謝罪などは「必須条件だ」と主張し、「日本政府や国民の決断に期待する」と注文も付けた。