今後は利上げ減速か 欧州中銀、金融不安で市場動向注視
2023年03月17日08時15分
【ロンドン時事】欧州中央銀行(ECB)は16日の定例理事会で、3会合連続となる0.5%の利上げを決めた。一方で、スイス金融大手クレディ・スイスの経営不安が浮上するなど金融危機の懸念が欧州にも波及していることを踏まえ、市場の動向を注視する方針を強調。今後は利上げを減速させる可能性を示唆した。
欧州中銀、大幅利上げ維持 3回連続0.5%―インフレ抑制優先
ラガルドECB総裁は理事会後の記者会見で、最近の金融不安に関し「市場の緊張を注意深く監視している」と繰り返し表明。2008年のリーマン・ショック以降、金融機関の自己資本比率規制の強化など改革の進展を挙げ、「銀行セクターは当時よりはるかに強固な状況にある」と不安の払拭(ふっしょく)に努めた。
今後の金融政策については「不確実性が高まっており、データに基づいた政策決定の重要性が増している」と説明。予断を持たず、その時の経済・金融情勢に基づいて判断する考えを強調した。