米国の銀行システムは健全　不安払拭図る―イエレン財務長官

　【ワシントン時事】イエレン米財務長官は１６日、上院財政委員会で証言し、シリコンバレー銀行（ＳＶＢ）など米中堅銀行２行の経営破綻への対応を説明し、「米国の銀行システムは引き続き健全だ」と強調した。スイス金融大手クレディ・スイスの経営も懸念されるなど、市場に動揺が広がる中、不安払拭（ふっしょく）を図る。

金融市場に新たなリスク　危機波及の警戒根強く―クレディ・スイス経営不安

　事前に配布された証言の冒頭声明によると、イエレン氏は、米当局が２行破綻を受けて発表した、預金全額保護の方針や連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）による金融機関への新たな資金供給策を通じ、「預金は引き続き安全であるという断固とした取り組みを示した」と表明した。
　一方で「（２行の）株主や債券保有者は政府によって保護されない」と、銀行への公的資金注入を改めて否定。また、預金者の保護に当たっては「納税者のお金は使われない」と明言した。