中央銀行から最大7兆円調達 クレディ・スイス、「流動性強化」―当局は支援表明
2023年03月16日19時50分
【ロンドン、ニューヨーク時事】スイス金融大手クレディ・スイスは16日、スイス国立銀行(中央銀行)から、資金供給の枠組みを利用し、最大500億スイスフラン(約7兆1000億円)を調達する用意があると発表した。流動性を強化するため、「断固たる行動を取る」と説明。市場の信用不安を払拭(ふっしょく)したい考えだ。
16日朝の欧州株式相場は、ひとまず落ち着いた動き。クレディ・スイス株は前日の暴落から持ち直している。
中銀とスイス金融監督局(FINMA)は15日に共同声明を出し、「必要があれば流動性を供給する」と支援の意向を表明。「自己資本と流動性に関する厳しい要件を満たしている」として、クレディ・スイスの財務に問題はないとの認識も示した。
クレディ・スイスは15日、筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクが追加出資を行わないとの報道をきっかけに株価が急落。シリコンバレー銀行(SVB)など米銀の破綻に続き、金融不安が欧州に波及するとの懸念が広がり、世界同時株安の様相となった。異例の共同声明は、市場の動揺を沈静化する狙いがある。