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信用不安拡大、疑心暗鬼に クレディ・スイス急落で―欧米株安

2023年03月16日14時44分

スイス金融大手クレディ・スイスの株価情報を表示する米ニューヨーク証券取引所の画面=15日、ニューヨーク(AFP時事)

スイス金融大手クレディ・スイスの株価情報を表示する米ニューヨーク証券取引所の画面=15日、ニューヨーク(AFP時事)

 【ニューヨーク時事】米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を発端とする米国の信用不安が15日、欧州にも広がった。経営不振のスイス金融大手クレディ・スイスの株価が一時3割以上急落、他の金融株も売られた。米国でも前日上昇した銀行株が再び下落。欧米の金融引き締めを背景に金融機関の事業環境が悪化する中、銀行の財務状況への疑心暗鬼に陥っている。

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 SVBは、多額の預金引き出しに対応するため、保有する債券の売却を強いられ、損失を計上。金利上昇(債券価格は下落)に伴う含み損が表面化したことで信用不安が広がり、破綻に至った。
 欧米の中央銀行による急激な利上げで債券に含み損を抱えるのは、銀行界共通の構図だ。米市場では一部地銀株が大幅安となっており、投資家が「(財務基盤の)弱い金融機関を探し始めている」(米エコノミスト)という。
 クレディ・スイスの経営問題への懸念が高まったことで、金融システム全体への不安も強まった。米国ではJPモルガン・チェースやシティグループ、欧州ではバークレイズなどの金融大手が下落。英キャピタル・エコノミクスの欧州担当チーフエコノミスト、アンドルー・ケニンガム氏は「近年、収益力の低さに悩んでいる銀行は、クレディ・スイスだけではない」と話す。
 米資産運用大手ブラックロックのフィンク最高経営責任者(CEO)は、米国で金融機関破綻が相次いだ1980年代の貯蓄貸付組合(S&L)危機に触れ、「過去の金融引き締め局面は、しばしば壮絶な金融破壊を招いている」と指摘。信用不安のさらなる拡大に警鐘を鳴らした。

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