手ごわい「671」 中国女子の新鋭―ブレイクダンス
2023年03月16日05時53分

ブレイクダンスの世界大会「Red Bull BC One」のワールドファイナルで、大技の「2000」を繰り出す劉清※(※サンズイに猗)(ダンサー名671)=2022年11月12日、米ニューヨーク〔(C)Red Bull Content Pool〕
世界から強豪が集まったブレイクダンスの国際大会で、中国の新鋭が力を示した。2月に北九州市で行われたゴールド・ワールドシリーズの女子で劉清※(※はサンズイに猗)(ダンサー名671)が優勝。昨年の世界選手権の再戦となった決勝で、湯浅亜実(AMI)に雪辱した。
男子にも引けを取らない回転技の「パワームーブ」が目を見張る。さらに、両手を重ねて倒立した状態で回転する「2000(ツーサウザンド)」など、難度の高い技を次々と繰り出した。
準優勝した世界選手権はパワームーブ主体の演技だった。今回のワールドシリーズでは立って踊る「トップロック」、しゃがんで足さばきを見せる「フットワーク」でも成長を印象付けた。日本ダンススポーツ連盟の渡辺将広ブレイクダンス本部選手強化部長は「どんどん強くなっている。まだ10代と若い。もっと人生経験を積めば表現力も磨かれる」と警戒する。
関係者によると、現在は欧州を拠点に外国人コーチの指導を受ける。母国の大きな期待を背負いながら、「ただただ一生懸命練習を続けたい」。慢心はなく、淡々と次の目標を見据えている。
かつては内向的な性格だったが、踊りを通じて殻を破れたという。「ブレイクダンスは情熱を与えてくれる。私にとって一番大事なもの」。中国語で名前の読みを数字で語呂合わせしたダンサー名を持つ「671」。五輪初実施となる来年のパリ大会で金メダルが期待される日本勢にとって、手ごわい存在になりそうだ。