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巻き返し誓い早期帰国 渡部暁、頂点へ再挑戦―スキー複合

2023年03月16日05時44分

欧州遠征から帰国したノルディックスキー複合男子の渡部暁斗=7日、東京・羽田空港

欧州遠征から帰国したノルディックスキー複合男子の渡部暁斗=7日、東京・羽田空港

  • ノルディックスキー世界選手権の複合男子個人ノーマルヒルに出場した渡部暁斗=2月25日、スロベニア・プラニツァ(AFP時事)

 ノルディックスキー複合で五輪3大会連続メダリストの渡部暁斗(34)=北野建設=が、例年より早く競技シーズンを終えた。SNSで「海外遠征に行くと日本に帰ることは簡単ではなく、妻や子供たちには苦労をかけている。これ以上長く家を空けるべきではないと思った」と説明。ワールドカップ(W杯)閉幕の約3週間前に欧州から帰国する決断に至った。
 銅メダル2個を獲得した北京五輪後の昨年5月に次男が誕生。男の子2人の子育てと競技との両立を掲げて挑んだ今季は、W杯最高成績が5位にとどまった。国際大会で表彰台に立てなかったのは12季ぶりだった。
 目標の五輪を終え「ちょっと情熱を失っていた部分はあった」のに加え、別の葛藤も抱えていた。欧州遠征時はフリースタイルスキーのハーフパイプで五輪出場経験もある妻の由梨恵さん(34)が1人で育児の苦労を背負う形になり、「家庭環境の不安定さが、集中力やメンタルの不安定さにもつながっていた」と振り返る。
 複合では各国で若手の台頭があり、渡部暁と名勝負を演じてきた同い年のエリック・フレンツェル(ドイツ)は今季限りの引退を表明した。「次の世代に移ったんだな」との実感を持ちながらも、雪上の戦いに「心残りはある」。W杯総合優勝など数々の勲章を手にした一方、まだ届いていない五輪金メダルへの執着心が原動力の一つになっている。「多分、北京で金メダルを取っていればスパッと辞めていると思う」と語った。
 このオフは、練習の質と量を昨年より充実させる計画。「トレーニングに集中できる環境をどうつくるかというところも、これから大事になってくる」。父親や夫の役割を果たす自覚も新たにして、再び頂点を追い求めるつもりだ。

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