岸田首相、今夏にも訪韓　連携強化へ「シャトル外交」

　岸田文雄首相が今夏にも韓国を訪問する方向で調整していることが分かった。尹錫悦大統領と１６日に東京で会談し、両首脳が相互に往来する「シャトル外交」再開について合意する見通しで、訪韓はその一環となる。中国の軍事的威圧や北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射を受け、日韓の連携を強める必要があると判断した。

日韓首脳「銀座でオムライス」案　尹氏、改善アピール狙う

　外務省幹部が１５日、明らかにした。訪問時期は、今国会の会期延長がなければ６月２１日の閉会後から８月までが候補だという。
　１６日の会談では、尹氏が元徴用工問題で韓国側の解決策を直接説明。首相は「評価」する立場を伝える。両首脳は共同記者会見と夕食会を行い、個人的な信頼関係も深めたい意向。首相は５月に地元広島で開く先進７カ国首脳会議（Ｇ７サミット）に尹氏を招くことも検討している。
　日韓シャトル外交は、２０１１年１２月に当時の野田佳彦首相と李明博大統領が京都市で会談したのを最後に途絶えている。
　松野博一官房長官は１５日の会見で、「韓国は国際社会のさまざまな課題で協力すべき重要な隣国だ」と指摘。「首脳同士で率直なやりとりが行われ、国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づき関係がさらに発展することを期待する」と述べた。