ホンジュラス大統領、中国との国交樹立指示 台湾は「深刻な懸念」表明
2023年03月15日17時54分
【台北、北京時事】中米ホンジュラスのカストロ大統領は14日、ツイッターで、中国と公式の外交関係を結ぶよう外相に指示したと明らかにした。「一つの中国」原則を掲げる中国と国交を樹立すれば、台湾との断交は必至。台湾外交部(外務省)は15日、「中国のわなに陥り、台湾との長年の友好を損なう誤った決定をしないでほしい」と慎重な判断を求めた。
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中国外務省の汪文斌副報道局長は、15日の記者会見で「国交樹立は正しい選択で、ホンジュラスを含む世界各国と友好関係を築きたい」と歓迎。中国は最近、イランとサウジアラビアの関係修復を仲介するなど外交舞台で存在感を強めている。
ホンジュラスは、台湾が正式な外交関係を結ぶ14カ国の一つ。昨年1月に就任したカストロ氏は親中派で知られ、任期中に台湾断交へ動く可能性が指摘されていた。
カストロ氏はツイッターで、中国との国交樹立について「自由に領域を開拓していくという決意の表れだ」と意義を強調した。台湾外交部はコメントで「ホンジュラス政府に深刻な懸念を伝えた」と表明。「中国の唯一の目的は、台湾の外交空間を抑圧することだ」と訴えた。