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米市場、混乱一服 地銀株反発、「危機は終わらず」

2023年03月15日13時43分

14日、米ニューヨークの証券取引所内に表示されたファースト・リパブリック銀行の情報(EPA時事)

14日、米ニューヨークの証券取引所内に表示されたファースト・リパブリック銀行の情報(EPA時事)

 【ニューヨーク時事】14日の米株式市場では、シリコンバレー銀行(SVB)など米地方銀行2行の経営破綻を背景に前日急落した地銀株が反発し、一定の落ち着きが戻った。米連邦準備制度理事会(FRB)などによる銀行支援策や破綻2行の預金全額保護が安心感につながった。ただ、急激な利上げがもたらした銀行の苦境は変わらず、「危機は終わっていない」(英調査会社)と警戒が続いている。

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 カリフォルニア州地盤の地銀ファースト・リパブリック銀行株は3割近く上昇。地銀持ち株会社ウエスタン・アライアンスも約15%高だった。ウェルズ・ファーゴなどの金融大手も上昇した。前日に急低下した長期金利も下げ止まった。
 FRBなどは12日、銀行向けの新たな資金供給策などを打ち出したほか、13日には懸念された一部地銀が十分な資金を確保したと発表。通常通りの営業を続けたことで不安心理が後退した。
 ただ、金融システム不安が一掃されたとは言えない。SVBの破綻は、急激な金利上昇(債券価格下落)がもたらした保有債券の含み損が直接の引き金となった。米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは「ほかの米銀も同様のリスクに直面している」と強調。金融引き締めが続く限り、そうしたリスクが銀行経営の重荷となると指摘している。

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