高市氏「レク受けた可能性ある」 放送法文書巡り、当初否定
2023年03月15日07時10分
放送法の政治的公平性に関する総務省の内部文書を巡り、高市早苗経済安全保障担当相は14日の衆院本会議で、記載のあった総務相時代の2015年2月13日の「大臣レク(説明)」について「受けた可能性はあり得る」と認めた。当初は存在自体を否定していた。
高市氏は「2月はNHK予算の国会提出に向けた準備を急いでいた時期だ。これに関するレクを受けた可能性はあり得る」と説明。ただ、詳細については「総務省にも問い合わせたが、8年も前の大臣スケジュールは残っていない。確認する方法はない」と述べるにとどめた。
文書には、当時の礒崎陽輔首相補佐官が求めた放送法の解釈見直しを、15年2月のレクで総務省幹部が高市氏に説明したと記されている。高市氏は同5月の国会答弁で、政治的公平性について「番組全体を見て判断する」との解釈を維持しつつ、一つの番組でも判断できると表明した。
一連の経緯に関し、高市氏は14日の本会議で「問題の本質は、(国会での)私の答弁が礒崎氏の影響を受けたか否かだ。そうでないことを証明するため、私と大臣室のメールや資料を求められれば衆院に提出する」と述べた。
これに対し、立憲民主党の泉健太代表は14日の党会合で「ずいぶん人の記憶は柔軟だ」と皮肉り、安住淳国対委員長は「徐々に外堀が埋まってきた」と強調した。党内では「『文書は捏造(ねつぞう)』との主張は完全に崩れた」との声も出ている。
立民は同日、放送法に関する有識者の意見聴取を実施。他の野党とも連携し、15日以降の参院予算委員会で徹底追及する方針だ。