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「57年闘ったかいあった」 袴田さん姉、歓声と拍手

2023年03月13日20時53分

袴田巌さんの第2次再審請求差し戻し審で、「再審開始」などと書かれた垂れ幕の前で取材に応じる姉ひで子さん(中央)ら=13日午後、東京都千代田区

袴田巌さんの第2次再審請求差し戻し審で、「再審開始」などと書かれた垂れ幕の前で取材に応じる姉ひで子さん(中央)ら=13日午後、東京都千代田区

  • 袴田巌さんの第2次再審請求差し戻し審で再審開始が認められ、記者会見する姉ひで子さん=13日午後、東京都千代田区

 「57年間、闘ってきたかいがあった」。再審開始が再び認められた袴田巌さん(87)の姉ひで子さん(90)は、裁判所の前で出迎えた支援者と抱き合い、喜びをあらわにした。

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 午後2時2分、弁護士が「再審開始」「検察の抗告棄却」と書かれた垂れ幕を手に飛び出してくると、大きな拍手と歓声が湧いた。直前まで降っていた雨はやみ、約10分後に姿を見せたひで子さんは「この日が来るのを心待ちにしていた。これでやっと肩の荷が下りたという感じでございます」と興奮冷めやらぬ表情。写真撮影を求められ、ガッツポーズした。
 ひで子さんは続いて記者会見に臨み、「巌は再審開始を理解しておりませんが、家に帰ったらじっくり話すつもりです。きょうは本当にうれしい。(検察側の特別)抗告があるかもしれませんが、負けずに頑張っていきたい」と意気込んだ。
 約30年間にわたって袴田さんを支援してきたという溜口郁子さん(64)=東京都清瀬市=は、あふれる涙をハンカチで拭いながら「待ち望んでいた当然の決定。袴田さんやご家族がどれだけ翻弄(ほんろう)されてきたか」と話した。「今度こそ再審開始、無罪の道を開いてほしい。袴田さんの人生を『死刑囚』のまま終わらせたくない」と語気を強めた。
 支援者の山崎俊樹さん(69)は「普通の生活にはまだほど遠いが、ようやく巌さんの心も開き始めている」と感慨深げ。ただ、今回の2次請求だけでも審理が約15年にわたっており、「(再審制度で)検察官に上訴権があるのも問題だ」と語った。

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