7.2%増の国防費承認 「米に比べ小規模」と主張―中国全人代
2023年03月13日20時30分
【北京時事】中国全国人民代表大会は13日、前年比7.2%増の1兆5537億元(約30兆3000億円)の国防費を盛り込んだ2023年予算を承認した。国防費は、経済成長目標の「5%前後」を上回り、前年を0.1ポイント上回る高い伸びを維持。習近平国家主席は武力による台湾統一も辞さない方針を示しており、中国の軍備拡張が当面続きそうだ。
財政赤字、10年で400兆円圧縮 中国対抗へ国防費3.3%増―24年度米予算教書
中国の国防費は、日本の23年度防衛予算案(6兆8219億円)の約4.5倍の規模。前年比増加額は、約1040億元(約2兆円)に上る。中国の国防費は具体的な使途が明らかにされておらず、実質的な軍事支出はもっと多いとみられている。
しかし、中国国防省の譚克非報道官は、国防上の必要性や経済規模を踏まえ「合理的に国防費を定めた」と強調。「国内総生産(GDP)比で米国などの軍事大国と比べれば、比較的低い水準だ」と主張し、さらなる軍拡を示唆した。
中国は海軍の増強を急いでおり、共産党機関紙・人民日報系の環球時報英語版(電子版)によると、2隻のミサイル駆逐艦「052D型」が10日、遼寧省大連で進水した。052D型は計28隻に達したとみられ、さらに3隻が建造中。また、22年に進水した3隻目の空母「福建」は年内に初の試験航海を行う見通しという。