リネカー氏、移民政策非難で降板 BBCに批判殺到―英
2023年03月13日07時04分
【ロンドンAFP時事】サッカー元イングランド代表でJリーグの名古屋でもプレーしたガリー・リネカー氏(62)が、英政府の移民政策を非難してBBC放送のサッカー番組司会を降板させられ、波紋を呼んでいる。公共放送としての公平性をめぐる議論に発展する一方、リネカー氏に連帯を示す出演拒否の動きも相次ぎ、BBCは対応に追われている。
発端は、ブレーバーマン内相がボートによる移民の密入国阻止に向け強硬な対策を訴えた英政府の動画。リネカー氏はツイッターで「1930年代にドイツが使用していた言葉と変わらない」とナチスに重ねて政府の動画を批判した。
BBCは10日、公平性の指針違反を理由にリネカー氏の降板を発表。これに対し、与党・保守党に屈したとBBCに批判が殺到した。
さらに、元イングランド代表のイアン・ライト氏やアラン・シアラー氏ら解説者がリネカー氏を支持してBBCの番組出演を拒否。BBCは11日、複数の番組内容の変更や取りやめを余儀なくされた。リネカー氏の復帰を求める18万人近い署名も集まっている。
批判の矛先が変わる事態を警戒するスナク首相は声明を出し「BBCの問題であり、政府の問題ではない」と念押しした。英記者組合(NUJ)は「BBCのオウンゴールだ」と批判している。