吉本、経験積んでたくましく　諦めなかった黄金世代―明治安田生命女子ゴルフ

　９メートル超のバーディーパットがカップに吸い込まれると、吉本は思わず飛び跳ねた。「入るとは思わなかったので、びっくりして」。プレーオフの２ホール目。３メートルをショートした１ホール目のパットを反省し、「オーバーさせるくらいのイメージ」が奏功した。直後に、ささきがバーディーを逃し、優勝が決まった。
　２打差のトップで出て、ささきと一騎打ちの様相に。パーが続いた前半、７番で並ばれ、９番の２打目をシャンクしてボギー。ささきがこのホールで伸ばし、後半に一時は３打のリードを許す。だが、諦めなかった。「弱気になるのはやめよう」
　１３番で８メートルを沈め、１５、１６番の連続バーディーで首位を奪い返した。ささきも１７番を取り、プレーオフへ。従来ならば「９番（のミス）からずるずると落ちていた」。２０歳だった２０１９年は２週連続２位になるなど勢いがあったが、「考えが甘かった」。その後、不調に陥った。苦い経験も積んで「ゴルフのことをたくさん、たくさん考えるようになった」。この日の息詰まる展開でもひるまない、たくましさが身に付いた。
　勝みなみ、渋野日向子らと同じ黄金世代がようやく開花。「みんなにいい刺激をもらっていた。私もこういう景色を見られてうれしい」と喜んだ。