歳費日割り返却、後任も旧N党 ガーシー氏除名ならどうなる?―ニュースQ&A
2023年03月11日14時41分
国会欠席を続け、「公開議場での陳謝」の懲罰も拒否した政治家女子48党(旧NHK党)のガーシー(本名・東谷義和)参院議員に対し、参院は15日に衆参通じて3例目、72年ぶりの「除名」処分とする見通しだ。除名されると、議員や所属政党はどうなるのだろうか。
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―何がそんなに問題だったの。
ガーシー氏は昨年7月に初当選後、昨年の2回の臨時国会と今年の通常国会で欠席を続け、議員活動といえば先月以降に出した質問主意書くらいだった。国民から負託を受けた国会議員の職責を軽んじ、「院内の秩序を乱した」(尾辻秀久参院議長)とみなされた。1950年に参院で、51年に衆院で除名の例が一つずつある。
―一度も登院していないけど、報酬はもらっているんだね。
この半年余りで歳費が1055万2361円、期末手当が188万5681円、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)が769万3548円支給されており、合計で2013万1590円に上る。高額なだけに批判は強い。
―除名されると、支払いは停止されるの。
議員の身分を失うわけだから、そうなる。15日に除名なら、3月分は日割り計算で約70万円を返却することになる。
立憲民主党と日本維新の会は、正当な理由なく欠席を続ける議員について、歳費の4割を差し止める歳費法改正案を提出した。ただ、歳費受け取りは憲法49条に規定される議員の権利であるため、与党は及び腰だ。
―ガーシー氏の言い分は。
「帰国すれば不当逮捕の恐れがある」「当選しても帰国せず海外で活動すると公約に掲げて当選した」などと主張している。一方で、国会法と参院規則は召集日の登院を義務付けている。ガーシー氏が言うようにオンラインで国会を開けばいいという意見もあるが、それはこれから議論していく話であって、ルールを無視していいということにはならないだろう。
―欠員の補充は。
ガーシー氏は比例代表選出のため、旧N党の比例名簿に沿って繰り上げ当選者が決まる。会派は2人以上で構成するため、現在2人の旧N党会派は繰り上げ当選が正式に決まるまでいったん解消される。同党の浜田聡参院議員はその間、決まりにより予算委員会には所属できなくなる見通しだ。
ところが立花孝志前党首は、新たに当選する議員も登院させないと明言した。自民党幹部は「あまりにひどい」と怒りをあらわにしている。